言葉に全てできるほど、人生は単純でもない。 vol.6104
言葉にできるほど、人生は単純ではないんだと思うんです。
言葉にするということは、複雑な現実の中から、
ある部分を切り取ることじゃないですか。
切り取らなければ、人には伝えられない。
けれど、切り取った瞬間に、
こぼれ落ちるものがある。
言葉は、
経験を理解するための入口にはなるけれど、
人生の結論にはならないんですよね。
ラベルは、人を守ることがあります。
自分に起きていることを理解できたり、
苦しみから抜け出すきっかけになったりすることもある。
一方で、
その人が生きてきた時間や、
選んできたこと、
愛憎や葛藤、そこで獲得した力まで、
一枚の言葉で覆ってしまうこともあるんですよね。
自分の人生を、
他人が理解しやすい単純な物語にしてしまうことは
危険です。
同じように、
他人の人生を、
自分が理解しやすい単純な物語にしてしまうことも
危険だと思うんです。
人の中には、
相反するように見えるものが、
いくつも同時に存在しています。
好きだけれど、許せない。
苦しかったけれど、得たものもある。
逃げたかったけれど、自分で残ることを選んだ。
どちらか一方だけが、本当じゃないんですよね。
いろいろなものが共存している。
そのすべてが、
その人の人生なんじゃないかと思うんです。
