2019.03.01.

仕事は生業にすぎない

ラジオから樹木希林さんの名言の一部が
流れてきて耳に止まった。

家では台本を一切開かなかったという彼女は
「私は女優樹木希林じゃない。
女優は生業であって、樹木希林で生きているから(大よそこんな感じ)」
と言っていたらしい。

女優といった芸術的な仕事をしている人、
ましてや名俳優と言われる人は
『仕事=人生』となっていて当然だと思っていたから驚いた。

彼女のことは「ジュリー!」と叫ぶ姿ぐらいしか知らず、
心の内を探りようもないが
若い頃からおばぁちゃん役だったというから
安易に言うものじゃないが、
ご苦労されたのではないだろうか。

女優を目指す人は誰だって
当然、主人公役で脚光を浴びている自分を
想像してその世界に入っているはずだ。

なのに、
綺麗な女優として日の目を見るどころか
注目されたのがおばぁちゃん役だった。

自分の気持ちや事実、
生活していくことや夢に
折り合いをつけられたのかなぁ…と感じる。

自然な折り合いのつけ方に知性を感じ、
大変がることもない彼女の素朴そうでいて強い意志の輝きが際立つ。